第弐齋藤 土踏まず日記 : 榎本俊二『ムーたち』

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2007/10/23 (火)

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ムーたち 1 (1) ムーたち 2 (2) (モーニングKC)

 こんな危険なマンガはみたことがない。
 おそるべきマンガだった。

 個人的にはこれはギャグマンガだと思っていたんだけど(根拠はない。 強いて言うなら榎本俊二が描いているから、という低脳な理由に因る)
 いったい何が笑いの対象になっていたのかというとさっぱりわからない (嘘、ほんとうはわかってる。 あとで云う)
 そういえば笑った記憶も無い。 (嘘、ほんとうは何回かプッとしてる。 でもそれはどちらかというと危険から逃れた「安心」に近い感情だったのかもしれない)
 でも、とにかく危険なマンガだった、と思う。

 というのも、
 このマンガが描いていたもの、あるいは「笑い」の対象にしようとしていたもの(?)が
 「意識そのもの」「イメージそのもの」「存在そのもの」「意味そのもの」「論理そのもの」「法則そのもの」
 あるいは「それらが生起すること」「それらが失われること」そして「それらが生起し、失われる境界であり瞬間」
 だったからじゃないかなぁ、と俺は思う。

 ふだん、にんげんが暮らす中ではまったく隠蔽され、無思慮のなかにあるこれらが、むき出しになる瞬間。
 それは、あまりに根本的で、根源的で、本質的で、それゆえに非人間的だ。 おそらく宇宙空間がそうあるように。 (方程式とは、常に冷たいものだ。)

 それを、俺は危険と考える。 少なくとも、人間にとって宇宙空間が危険であると同程度には危険だと考える。
 だが、このマンガでは、いともたやすく軽々と、それらを扱ってみせた。
 そこから、プッ or クスクスッとするぐらいにはなにかぎりぎり人間的で、一瞬ゾッとするぐらいにはそこそこ非人間的ななにかを、すくいとってみせた。
 なんというアクロバット。 ちょっと、榎本俊二さん、あんた、なにひとりで人類の極点を押し広げてるんですか?

 ふつう、こういうことをやっていると帰って来れなくなる、と俺は思ってる。
 あっぶねぇ~。 よくやるわ。 ヒヤヒヤもんだよ。
 2巻、という短い期間でこれが終わってくれて、残念でもあるし、ホッとした気分でもある。
 そういう感じ。

 おそるべきマンガだったけど
 あいすべきマンガでもあった。
 (うまいこといえば)

 ワンアンドオンリーと思います。
 すばらしい。

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 ありとあらゆる事象を、記録し、数値化し、意味づける規理野くんの存在は大いなる発明だったな。

ゴッド、ブレス、ユー

 そこに、神の御息吹が在りますように。

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 それにしても虚山実のとらえどころの無さは怖かった。 とにかく怖かった。

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