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青空文庫で小栗虫太郎「黒死館殺人事件」が公開されたそうだ。 すばらしい。 やたら読み仮名がふられたHTMLはお世辞にも読みやすいとは思えないけれども。 「検索できる」というのは魅力だ。
面白かった。 この3冊に外れなし。 若杉公徳『デトロイト・メタル・シティ』1巻はフツー以上に言語芸マンガとして面白いんだけど、ボンクラども(ゴボウ男ども?)の共通言語となってどれだけ流通するのか、っていう現象としても楽しみだ。 買う奴は膝撃ち貫かれても書店に買いに走るだろう? それは選択じゃないんだ。 なんつって嘘だバーカ。 江平洋巳『ちいちゃんとおばけ図書館』は絵が良い。 ファンタジー。 正統なゆきてかえりし物語。 なんかそういう言説をあまり聞かないんだけど中村光『荒川アンダーザブリッジ』は面白いって! ぜったい! ひねた笑いといじけた叙情が同居する稀有なマンガですよ? わかりやすく言うとニノさんは素直クールの急先鋒。
以下、書誌データ。
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阿佐田哲也『麻雀放浪記(一) 青春編』 [bk1][amazon]
長門有希が読んでいたのに触発されて読んだ。 大傑作。 読むきっかけになった長門に感謝。
戦後の混乱期の中をうごめく得体の知れないバイニン(博徒)どもの姿を描く群像劇であり、麻雀なるものがゲームとしてギャンブルとして産業として立ち上がっていく偽史とも読める。 タイトルにある「青春編」とは麻雀なるものの青春なのかもなーとは思ったが、それは夢の見過ぎかもしれない。
さてタイトルには「麻雀」放浪記、とあるけれども、はたしてこの「麻雀」っていったいなんだろう? 作中で描かれる「麻雀」は、ほぼ全部がイカサマ有りが前提の焦臭い代物。 いや、イカサマ有りが前提どころの話じゃなく、その日その瞬間、そこにあり/あったもの「すべて」が勝つための手段として使われるのが前提のメタゲーム、として描かれているように見える。
このへん「格闘技」と「喧嘩」の違いに似てるか。 リングの上や道場で、比較的厳密なルールの上にのっとって、競技として行われる「それ」と、路上や飲み屋やなんかでその場の勢いとその場に在るもの全てを前提にして行われる事故、アクシデントとしての「それ」との違い、みたいな。
「本当に強い奴は誰だ?」といってみても、その内実は相当に複雑で、「本当に」とか「真に」みたいな単純なものの見方がそもそも許されて無くて、つねにその場、その時のリアルを認識する視点だけが存在を許されている、そんな印象。
「本当に強い奴は誰だ?」「最後まで立ってた奴」。
「本当に強い奴は誰だ?」「勝った奴」。
そういうもの、なのかもしれない。
ルールの上にのっとって行われる麻雀の腕、技術はあって当たり前。
ルールを超えて、破って行われるイカサマを行う技術もあって当たり前。
そのすべてを見切る眼力、知力もあって当たり前。
それをどこでどうつかうのかという指針を決める度胸もあって当たり前。
そのうえで運否天賦が勝負を決めるだろう。
こす辛いバイニンどもが繰り広げる高度な、マッハの戦い。
「そこにあるもの」を見ずに「そこにあれかしとおもうもの」を見始めた奴の負け。
「そこにあるかもしれないもの」を見ずに「そこにあるもの」だけを凝視した奴の負け。
徹底した現実主義・現物主義だけが生存を許されているようにみえて、その徹底した現実主義・現物主義を根底から支えているのは、はかなく、けして言葉にはされない夢や理想や希望やロマンだったりする哀しさ。
「唄われた夢」から先に死んでいく。
群像劇。 得体の知れないバイニン(博徒)どもの群れのドラマ。
人間! 人間! 人間!
俺はお前を喰うが、お前は俺を喰っていい。
互いが互いの餌である、という認識(信頼!?)を共有し、実際にそのようである、一種の運命共同体であるように思う。
はっきり言って、今の俺の理解や共感の外にあるんだけど。
そういうものがあるのかもしれない。 あったのかもしれない。 と思うと。
なんかしらんが「なるほど」とも思う。 あるいは美しい、とも。
「誰だってこうしてるんだよ」と健がいった。「死ねば皆に喰われちまうんだ」
無惨で凄惨であるはずのそれが、「美しい」とはどういうことだ? とも我ながら思うけど。
なんかそれはそういうものだと思った。 知らんけど。
ああ、お前らは人間なのか。
俺がそのようであるように。
さて、これはどこに辿り着く?
行く末が知りたい。 続きを読もう。
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反省無きとこに進歩無し。 ヒビのことであればなおさら。
先週はなにをしていたのか? 日曜日だから先週の日記を読みかえす。
ちなみに先々週の日記はこう。
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アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』に登場する本読み少女、長門有希さんが劇中なにを読んでいるのかを調査・検証する。
では第10話『涼宮ハルヒの憂鬱IV』から。
長門有希、メガネをなくす。
今回は、ハードカバーの二段組。 表紙が深緑色。 という二点が窺えるのみ。 特定不能。
カバーをはがした、地の表紙が深緑のハードカバー、というふうに見えるのだけれど。 なんなんだろうね?
これは想像してみるしかないか。(今回の文脈も踏まえた上で? <難しい!)
「これじゃね?」という候補求む。
各話の検証はこちら。
関連。
綿矢りさ『蹴りたい背中』を読んでみる。 買ってすぐ喫茶店に立ち寄って読み始め、40分ちょいで読了。 俺の読書スピードは毎分1200〜1500字なので、そこから推測するに彼女の読書スピードは毎分2500〜4000字ぐらいじゃないかしら。
fuzzyさんは「特別ではない」と仰ってたけど、やっぱ速いよな(w やっぱり平均よりはぜんぜん上。
だけど人間離れしている、というほどじゃない。 俺の知っている人のなかにも、このぐらいのスピードで本を読む人はいる。 だから長門さんの読書スピードは、「良く本を読む人の中でも、読むのが速い人」(年間150冊以上本を読む人レベル?)じゃないかな、と思います。
しかしこんなことでもないと絶対読まないよな綿矢りさ『蹴りたい背中』。
168刷とか書いてあって、ビビる。 俺は『田中』のほうでじゅうぶんですよ。
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最終巻。 良いマンガでした。
ほんの些細なことがらが、そこに生きる人々の「情」を垣間見せてくれる。
このマンガの在り方が俺は凄く好きだった。
エマがメイドじゃなくなるのでさっさと見世終い、というのはなるほどな、と思った。 作者の、メイド好きとしての筋が通ってる(w 残念ながら俺にはメイドどうこうとか、歴史とかに引っかかるフックがないので、その方面にはあんま興味なし。 まったくの直観だけど、作者・森薫というマンガ家さんが「ドラマ」を描く人でない、という認識もある。 それよりも、細かい細かい、仕種や言葉や空気や息遣いなんかを積み上げて積み重ねて、細部を描くことで、そこに生きる人々の「情」を垣間見せてくれる。 このマンガの在り方が俺は好きだった。 凄く好きだった。
例えば、メルダース家に帰ってきたエマが、同僚のターシャとふたり、部屋にいるシーン。
屋敷をでるエマが、荷造りをする。 そこにターシャが声をかける。
あ ねえねえ
これ いる?
綺麗な箱に入ったせっけん。 バラの香りがするというそれ。
「なんかもったいなくて」使えなかったそれを、エマに差し出すターシャ。
いいよ いいよ
持ってきなよ
一瞬躊躇したあとに、それを受け取るエマ。
……
ありがとうございます。
やがて、それぞれのベッドで休む二人。
夜もふけ、ランプの灯りも消されている。
闇の中で交わされる短い会話 エマの、これからの行く末を聞くターシャ。 「わからない」「なにもわからない」と答えるエマ。
そこで差し出される、ターシャの手。 闇の中で交わされる握手。
なにもできない、なにも関係も責任もない、赤の他人こその気づかいと、祈りと感謝の握手。
人が人にできる「最善」ってなんだろう?
とか、そういうことをちょっとだけ考えた。
「親切」とはもっとも単純で強力な、愛の具現だ。 とは、誰かが言ってたっけ。
ねぇ、正しいですよ? それ。
泣きそうになる。
夜中にジョーンズの訪問を受けるエマのたおやかなこと。
柔らかな身体、髪。 「愛される者」の美しさ。 セクシー。
亡きケリーの墓を詣でるアルのぶっきらぼうで、どこか寂しげでもありそうな台詞。
ここ 抜けたほうが 近えんだ
ああ、まったくしょうがねえ。
そっちのほうが近いならしょうがねえや爺さん。
それにしても、ケリー女史はなんと偉大な教師であったことか。
つまるところ、エマがケリー女史から学んだことはこれじゃなかろうか。
「人は、己が望んだあらゆるものを学習できる。」
ケリー女史は、エマがエマとしてあるために必要な、もっとも大切なことを彼女に与えたんだろうな。
メガネだけじゃなくね。
あ? 階級を飛び越える手段となったのは学習と情愛か。
なるほどな。 世界が変わるわけだわ。 それだけあれば、人の世の行ないはなんだって変わる。
良いマンガでした。
描くことで、そこに生きる人々の「情」を垣間見せてくれる。
このマンガの在り方が、俺は凄く好きだった。
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徳弘正也『昭和不老不死伝説 バンパイア』4巻[bk1][amazon] のあとがきで山本七平『「空気」の研究』[bk1][amazon] の名前を見つけて驚く。 まえに面白そうだと思ってメモっていた本だったのです。 こんなところでその名前に出会うとは思ってなかった。 良い機会だから探して読んでみることにします。
ほとんどお薬ちょうだいに近い妄想病の私の想像だけど、この国は3割の金をもらって仕事する人間と、7割の仕事をして金をもらう人間に分かれてるようだ。その異様なバランスはたぶん変わらない。そしていずれ破綻する。妄想だといいねえ。
徳弘正也『昭和不老不死伝説 バンパイア』4巻 あとがき
徳弘正也『昭和不老不死伝説 バンパイア』は面白い。 当たり前以上の努力に支えられた当たり前のプロ意識が「このままではいけない」という現状に対する危機感をもって仕上げくるエンタテイメント。 惹きつけて、楽しませ、胸の中にザワリとしたさざ波をほんの少しだけのこす。 そして、それができれば読み捨てられても(むしろ読み捨てられることを?)善しとする。 そういう仕事。 マンガ。 俺はこういう仕事を尊敬していたいと思っている。 たぶんね。
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瀧波ユカリ『臨死!! 江古田ちゃん』1巻 [bk1][amazon]
嫌な気分になるけど面白い、目が離せない。 そんなマンガ。 愛嬌のある悪意?
男と女のあいだを流れる深くて広くて黒い川の対岸で行われている「女」なる戦闘行為(戦闘?)のいち記録だとは理解する。 けど、ただ砲声が聞こえるばかり。 基本的に俺の人生の物語に関係なし! ヤー、タイヘンデスネー? としか。 共感できねー。 が、まぁそこがよい。なんの痛痒もなく、まったくの遊山。 どうでもいいから、なんの関係もないからこそ面白楽しい、っつうーひどく気楽な立ち居地。 なんだこれ?
しっかし、面白いな。 ここで提示される視点・観点・概念がいちいち興味深いよ。 女たちに嫌われる女たち、 その定型のひとつ「ぶりっこ」の発展進化完成型をして「猛禽」と名づけ呼ぶなんて白眉ですよ。
ちょwww おまwww なにその括りっぷり!
聞き上手で
下ネタにも 慣用
ほっとかれても ふくれず
ブサイクにも やさしい
言葉の上では完璧。 でもどうしてもそのしたの浅ましさが透けて見える(気がする)。
そんなあの子にこの名をつけよう。 「猛禽」。 これは是非使ってみたい(いつどこでだれに?!)
部屋の中で全裸でゴロゴロすることは「アイドリング」とよぶのも超キュート。 考えなくてもいいこと、思い出してはならない記憶は手足を暖かくして自律神経を誤魔化してカバー! 一生のらりくらりかわして生きてやる!
共感はできないがその在り方は(たぶん)愛らしい。 臨死でも頑張れ、江古田ちゃん。 どっか、お互いに関係ないところで。 (でも、そのじつすぐ近くだったりするところで?) そんな感じ。
長門さんも読んでるサイモン・シンの超面白い科学/数学ノンフィクション『フェルマーの最終定理』[bk1][amazon]が文庫になっちょる。 これは是非読むべし。 それと最新邦訳『ビッグバン宇宙論』上下巻[bk1][amazon][bk1][amazon]は遅れに遅れて今月22日発売予定なのでこれもチェックのこと。
科学ノンフィクション繋がりでミチオ・カク『パラレルワールド』[bk1][amazon]今読んでるんだけどすげぇ面白い。 これホントに科学ノンフィクション? 「つまるところ、この世界とは、いったい『何』なのか?」 こんな究極的な問いに、人間の知恵と知識はいかに答えをだし、さらなる高みを目指すのか。 感嘆しながら読んでいる。 よくやってるよなぁ、人類。 土塊からわいてでたにしてはよく頑張ってると思うよ。
そんでも結局、そこにあるのはあくまで「人間の行い」なわけで。 これまでの宇宙論が、信頼できるデータが少なすぎて、推論に推論を重ねるしかないショボショボなものだったかを指し示すエピソードに爆笑した。
たとえばあるとき、ウィルソン天文台の天文学者アラン・サンディッジが宇宙の年齢について発表する直前に、前の発表者がこんな嫌みを言った。「次に皆さん方が耳にする話は全部間違いです」
それを聞いた天文学者アラン・サンディッジの反応。
「くだらん話をしやがって。 よし、戦争だ――――戦争だぞ!」
ちょwwばkwwwおまえらwwwwww
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山本弘『アイの物語』[bk1][amazon]が面白かった。 たぶん山本弘の書く物語の根底にあるのは「男の子の夢」なんじゃねえかと思った。(そういや「永遠の……歳」とか云ってましたね……) で、「男の子の夢」ってのは、じつはひどくグロテスクで、脆弱なものだ。 フィクションが、あるいは「未来」がときにそうであるように? これはあとで感想書きます。
扇智史『永遠のフローズンチョコレート』[bk1][amazon]は表紙買い。 が、なかなか興味深かったですよ? なかなかけったいなものを読んだな、という静かな感慨。 絵付き小説を考えてみるうえでのメルクマールというか、位置確認のために有用な気がする。 「ああ、僕らはここまで来たんだ」的に。 なんだそれ?
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あ、すごそうですねこれ。試してみます。