第弐齋藤 土踏まず日記 : 「なに読んでるの? 長門さん」−第9話『サムデイ イン ザ レイン』追補

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2006/06/30 (金)

[ANIME] 「なに読んでるの? 長門さん」−第9話 『サムデイ イン ザ レイン』追補

 アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』に登場する本読み少女、長門有希さんが劇中なにを読んでいるのかを調査・検証する。
 コメントにて追加情報があったので第9話『サムデイ イン ザ レイン』を追補。

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 コメントにて教えていただきました。

6月30日発売の「ザ・スニーカー」に「サムデイ イン ザレイン」の書き下ろし脚本が掲載されています。
本編冒頭、文芸部部室内で個々に活動(というのか?)しているシーンにおいて、長門有希が読んでいる本についての記述がありました。

「赤頭巾ちゃん気をつけて」庄司薫・中央公論社ハードカバー、図書館貸し出し本

アニメ本編のほうを見返してみましたが、あの描写では全くわからないですね。
この作品は読んでいないので、本編とどう絡んでいるのでしょうか。

 6月30日発売の「ザ・スニーカー」に原作者、谷川流氏による脚本が掲載されているとのこと。
 さっそく買ってきました。
 
 (『新ロードス島戦記』が8年越しに完結したことに密かに衝撃を受けたりしましたが、それはまた別のお話。
  あっ! 賀東招二と谷川流が対談してる! 面白い!)

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○文芸部部室。
キョンと古泉は向かい合ってカードゲーム(ドラゴン★オールスターズ)、長門(制服の上にカーディガン)はテーブルの隅で読書中(『赤頭巾ちゃん気をつけて』庄司薫・中央公論社ハードカバー、図書館貸し出し本)。
みくる(メイド姿)は座って編み物(マフラー)をしている。
キョン、ふと顔を上げる。

 なるほど。 冒頭のこのシーンかな。

SOS団部室。 ゲームをするふたり 本をよむ長門さん 編み物をするみくるさん

 神出鬼没さんのおっしゃるとおり、ここからは長門さんが何を読んでいるかはわからないのですが……。

 『赤頭巾ちゃん気をつけて』は第六十一回芥川賞受賞作。 もし読んでいるこの本が『赤頭巾ちゃん気をつけて』だとすると、この日長門さんに訪れていた芥川賞受賞作祭りは『サムデイ イン ザ レイン』開始直後(あるいはそれ以前)からすでに始まっていることになります。

 『赤頭巾ちゃん気をつけて』は『さよなら怪傑黒頭巾』『白鳥の歌なんか聞こえない』『ぼくの大好きな青髭』と続く「薫くん四部作」の第一作。 センシティブな高校生「薫くん」を主人公とした青春小説の傑作です。
 1950年代後半から1960年代前半生まれの人たちにエラい衝撃を与えた作品だったご様子。
 内田樹さんのBLOGでは

『赤頭巾ちゃん気をつけて』は69年の冬に発表されて、当時の元日比谷高校生の間ではたいへんな話題になりました。だって、僕たちの同期生の話なんですからね。
「誰が書いたんだ」という作者当てクイズが「庄司薫」がぼくたちより10歳年上の卒業生で丸山真男門下の元大蔵省官僚だと知れるまで続きました。
真相が知れるまで「あれはウチダが書いたんじゃないか」という噂も一部では流れて、びっくりしました。

 と、当時の「衝撃」を語っておられます。

 『赤頭巾ちゃん気をつけて』『さよなら怪傑黒頭巾』『白鳥の歌なんか聞こえない』『ぼくの大好きな青髭』。
 四部作でそれぞれ「赤」「黒」「白」「青」で陰陽五行の「南」「北」「西」「東」。

 セカイをぐるりと巡った上でラストは妊娠した少女と背中合わせ、木の下で疲れ果て座り込むみたいなシーン(だったはず)なんで、セカイ系の嚆矢ですよ!? という駄法螺を今思いつきました。(いや、もう誰かが言ってる気がする……)

赤頭巾ちゃん気をつけて さよなら快傑黒頭巾 白鳥の歌なんか聞こえない ぼくの大好きな青髭

庄司 薫(著) 『赤頭巾ちゃん気をつけて [bk1][amazon]
中央公論新社(中公文庫) | 発行:2002/10 | 価格:\620 | サイズ:19 x 13cm | ISBN/ASIN:4122041007
『女の子にもマケズ、ゲバルトにもマケズ、男の子いかに生くべきか。東大入試を中止に追込んだ既成秩序の崩壊と大衆社会化の中で、さまよう若者を爽やかに描き、その文体とともに青春文学の新しい原点となった四部作第一巻。芥川賞受賞作。』
庄司 薫(著) 『さよなら快傑黒頭巾 [bk1][amazon]
中央公論新社(中公文庫) | 発行:2002/10 | 価格:\700 | サイズ:19 x 13cm | ISBN/ASIN:4122041023
『「男ってのは、なんともみっともない動物だと思ったことない?頑張る時も大袈裟だが、夢破れて引きさがる時も…。」この大きな世界の戦場で、戦いに疲れ傷ついた人々をどう支えればよいのだろうか。夢は、必ず破れるからこそ夢なのか。』
庄司 薫(著) 『白鳥の歌なんか聞こえない [bk1][amazon]
中央公論新社(中公文庫) | 発行:2002/10 | 価格:\800 | サイズ:15 x 11cm | ISBN/ASIN:4122041015
『死にゆくもの、滅びゆくものを前に、ふとたじろぐ若い魂。そして「死にゆくもの、滅びゆくもの」として見つめられ愛されることを拒絶する、もう一つの若い魂。早春のきらめきの中に揺れる、切ないほど静かで、不思議に激しい恋の物語。』
庄司 薫(著) 『ぼくの大好きな青髭 [bk1][amazon]
中央公論新社(中公文庫) | 発行:2002/10 | 価格:\780 | サイズ:15 x 11cm | ISBN/ASIN:4122041031
『若者の夢が世界を動かす時代は終ったのか。月ロケットアポロ11号の成功の陰で沈んでいった手作りの葦舟ラー号。熱気渦巻く新宿を舞台に、情報化社会によって加速され翻弄される現代の青春の運命を、熱い共感をもって描く四部作完結編。』

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 各話の検証はこちら。

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 関連。

+ : 投稿者 : ゲモス828 投稿日 : 2008/03/02 21:22:15
『サムデイ イン ザ レイン』の元ネタはネウロの小説『魔人探偵脳噛ネウロ /世界の果てには蝶が舞う』の中の『ホリデー イン ザ サン』が元ネタだと思います。どうでしょうか?
+ : 投稿者 : 添加物 投稿日 : 2008/04/19 16:18:06
キョンが出て行った辺りで、オレンジ色の表紙が確認できました。
おそらく『赤頭巾ちゃん気をつけて』で間違いないと思われます。

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