日日日 『ちーちゃんは悠久の向こう』 (新風舎,¥590) [bk1][amazon]

やられた。 イラストに騙された。
「新風舎文庫大賞」受賞作で、しかも表紙は夕焼けで校舎で三つ編みの女生徒で、久美沙織が絶賛と来れば、なんぞ良質のジュブナイルか? 青春小説か? と思って勝手に期待して読んだら違った。 血も涙も夢も希望もねえ暗黒小説だった。 真っ黒だ。 なにも見えねえ。 角川ホラー文庫ででてくれ、こういうのは。 覚悟のないところ思い切り殴られた。
いや、そもそもタイトルでそれと気づくべきだったけど。 『ちーちゃんは悠久の向こう』。 おいおい「向こう」だよ「向こう」、岸渡っちまってるよちーちゃん、しかも悠久の。 ちーちゃんらしき女生徒の顔が描かれていないことにも注意すべきだった。 これで普通にアニメ絵の表紙だったら、それはそれで頽廃が過ぎるってものだ。 ちーちゃんには顔が無い。 顔なんてあっちゃいけなかったんだ。
繰り返すけどこれ、夢も希望も甘酸っぱいのもぜんぜんない、暗黒小説だ。
皆褒めてるけど、読むと気が滅入る。 少なくとも俺は読んで凹んでうなって文庫本壁に投げつけたくなった。
作者は1986年生まれでうっわ若ッ! と驚かされた。 それもある。 この小説のもつ衝撃は、一部その若さにも負う。 ほとんど「毒気」に近いような若さと才気で、それにあてられたのかもしれない。 なるほど17やそこらでこれを書くしかないってんなら作家になるしかねえだろう。 だって異様に巧いんだもん。 納得もする。 でも、だからどうした? ってぇ気にもなる。 手前の中の「才気走った17歳」的な部分を刺激される。 この気の滅入り方は、多分そうだ。 だからイライラするんだ。
久美沙織の解説にたいぶ救われた感はある。
久美沙織は、たしかに絶賛はしてるけど叱咤もしてる。
才能はあるが生意気で幼く拙い。
そういう奴にかける言葉は二つで十分だ。
たのしみだ。
がんばれ。
>なった。
私は投げつけてしまった。どうしても耐えられな
かったから。
それはたいへんストレートな反応で、
もしかすると「楽しんだ」のうちに入るかもしれないね。
(ホラー読んでトリハダ立てたり、恋愛モノの甘々描写に触れて「うぎゃ〜」って悶絶するのと同じで)
5冠だけあって次々新巻がでるようなので、楽しみにはするですよ。
久美沙織は誉め過ぎとは思ったけど、
これ一冊で評価は出来ないかなぁ。
え? 違うの?
ごく自然にタカアキラさんだと思ってレス返してました。
今後、ちょっと気をつけます。