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最近はこういうのも「スターターキット」って云うらしいですよ?

よしながふみ『フラワー・オブ・ライフ』1巻 (新書館,\546) [bk1][amazon]

1ヶ月遅れで入学してくる男の子がいる、ある男女共学高校の(もしかするとハッピーな、ハッピーな?)スクール・ライフ。
あー。すげぇいいわ。
出てくる奴ら、みんなこれを志してる(ように見える)。
それが気持ちいい。
いかに相手の幸福を慮り、そのために行動できるか、ってこと。
その行動と、行動を志向する意志をして、
で、この漫画だと、その侠気が、ひとつの正義なのね。
正義っつうと胡散臭いか。
や、でもそうだな。
いかに相手の事を慮ってやれるか、が正しいこと、善いこと、美しくあること、になっている。
人よ、
コミュニケイトすべし
っつう
まっとうな力がまず前提として肯定されている
パワフルで清々しい漫画
だと思いましたですよ。
素晴らしい!
とかそんなこと云いながら
かわいいデブの三国くん、
真人間だけど、オタ受けする絵が描ける花園くん、
「オタ」というキャラが立っている以外は硬派なんだか嫌なヤツなんだかよくわからねえ真島くん
の漫画研究会3人によるプチ「まんが道」(っつか「コミケへの道」?)だってのにも注目だ。
真島! 同人誌はおおっぴらに読むな! 頼む!
オマエは良くても周りがいたたまれない! たしかに!
( よしながふみは、
「人の関係の在り方」をも描けるから
巧いと思えるのかなぁ? )
関係ないけど、

ごめん、俺もそう思っちった。
おねえさんがたは「観ろ〜〜〜」と勧めるけどやろうどもは「う〜ん」とにやけながら首をかしげる映画な、「アメリ」。
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いま気付いたが、天沢退二郎の復刊が決定している!
『天沢退二郎』 復刊特集ページ
確定しているのは以下のとおり
Yahaaaaaa!
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京都府警は特務機関かなにかなのか?公安9課みたいな。
海猫沢めろん『左巻キ式ラストリゾート』 (イーグルパブリシング,\880) [bk1][amazon]

ただでさえ下層カーストである絵付き小説の中でもさらに最下層である絵付きエロ小説は、2、3年にいっぺんの割合でとんでもない奇作怪作を生み出す土壌であるので(しんかいちさとみ『ヒ・ミ・ツの処女探偵日記』とか、『ひまわりスタンダード』であるとか……あれ、2冊しか思い浮かばねえ……ダメだそりゃ)またそんな徒花が咲いたんだろうなと思って読んでみたら予想以上の綺麗な花が咲いていたのでご報告というか、ぶっちゃけ吼え狂いたいと思った。 ひ、ひぎいぃ!? ひぎいぃぃぃぃい! ひぎぎぃぃぃ!!
12人の少女が暮らす「学校」で、記憶をなくした「僕」が目を覚ます。 「学校」では数日前から連続強姦事件が起こっており、「僕」は助手としてつけられたブルマ少女・海猫沢めろんちゃんとともに、「事件」の調査を開始する。 わけもわからないうちに。 女の子たちとエッチしながら。 とか、話はそんなん。
ごめん、どうでもいい。
ストーリーは、基本的にどうでもよろしい。
おねえちゃんがたや、エロシーンも、やはり、どうでもよろしい。
ミステリである。 これはたぶん重要だと思える。(言い忘れてたけど、この小説はミステリ小説だった。)
物語を駆動させるために/しかたないし/好きだし/お客さんにもうけるだろうし/渋々ながら/などなど様々な理由はあるにせよ、態度としては「しがみつくように」ミステリというジャンルに固執している、ミステリであることに必死である、と感じた。 俺はミステリとかよく知らんし、「どうでもいいけど知っておいたほうが有利だ」ぐらいの気持ちでしかミステリにたいして接しないので、たいしたことは云えねえけど、物語を駆動させる(始まりから始まって終わりで終わる)仕組みとして、ミステリというジャンルが有効であるということだけでなくて、ミステリに対する敬意、愛(便利な言葉だね)は、ひしひしと感じられた。 この、適当でどうでもよくて中身がなんにもない空っぽクソ小説が、ただミステリであることに忠実だったってのは、ちょっと感動的であった気がする。 このエロ小説に、絶対おかしちゃならねえ聖処女が一人いたとするならば、その娘の名前は「ミステリであること」だったんだろう。
(なぜ? ジャンルに対する愛と、ジャンルに忠実でなければノベルが空中崩壊して果てるという恐怖から? わからない。)
リアルである。
驚くべきことに、このクソ小説は、リアルであることを志向していた。 しかも、ある種の速度を伴って。
それが感動的だった。
(リアルねぇ……。)
リアルっつうか、オタクにとってリアルであるっつうことがどういうことであるか、それをこの小説は描きだそうとしていた。 俺たちの、俺たちが信じるに足るリアル、その内実っつうのは、いったいどういうもんなのか、それを、この小説は描きだそうとしていた。
(疾走する、オタリアル)
俺たちが望み好むものども「だけ」で世界を構築してみると、こうなる。 っちゅうのを、この小説は描き出す。 ぺらぺらで、ストレンジで、グロテスクで、なんにもなく、そして楽しく、心地良い世界の、さらに戯画。 そいつを、至極いじわるに、この小説は、描き出す。 「まぁそうなるしかねえわな。 相応相応。」っつうヤツを。 描き出してから、これまた至極適当に、容赦なく、ぶっちゃけ、飽きたから、その世界をぶっ壊す。 ぶっ壊してみせる。世界が「ぺらぺらで、ストレンジで、グロテスクで、なんにもなく、そして楽しく、心地良」くしかないから。 がっしゃ〜ん。 おもちゃ箱をひっくり返すみたく。
それは、そのまんま、俺たちの写し姿だ。
俺たちが、望み、手に入れ、飽いて、捨てる。 そのさまを、この小説は明確に描き出す。 それは、大変にリアルである。 信じるに足るものであると、俺には感じられた。 そうなるしかないだろう。 俺たちが、俺たちであるかぎり。
(ん〜なんだろう……これは?……。)
ポイントは、「俺たちが、俺たちであるかぎり」であることで、「俺たちが、俺たちであるかぎり」=世界はかくあるのだから、俺たちは俺たちであるということを、この小説は肯定しなければならない。 最低でも、肯定するフリだけでもしなければならない。(「俺たちが、俺たちである」ことを否定する、という手もあるれど、「俺たちは、俺たちではいけない」と俺たちに云われたところで、そんなもの無効だし、そんなことを云う虚構に意義はない。)
で、この小説は、それを肯定してみせる。(ように見えるんだな、俺には。 俺はバカかもしれない)
肯定してみせるんだけど、
(ここまで読んで、これがあなたに必要だと感じるならば、これはあなたのもとに届けられるだろう。 さようなら。)
その肯定には、どこにも余裕がなくて、なんつうか、必死だ。 確実にキツイと思う。
だって選択の余地ねえじゃん? 「お前はお前やるかお前やめる、選べ」とか云われてもそこに選択肢なんてねえじゃんよ? 「俺もう、俺やめます」とは云えねえべ? もう肯定するしかないじゃんよ。 で、実は、その選択肢のなさってキツくねえか? って話さ。
たかがオタクやるぐらいのことで必死になんなよな〜、とは(わりと本気で)思うんだけどな。 みんな真面目すぎだ。 ディズニーシーにでも行くがいい。 俺たちはもっと気合い入れてのんべんだらりとダメであるべきで、じゃあ、何がしてえんだ? とか聞かれてもニヤニヤするしかなくて、でも、そのニヤニヤかっこよくねえ? とか、いろんなものを含みんで、あやふやにしながら。
とにかく突っ走れ! と云われる。
でも。とにかく突っ走れ! って云われて、ホントに突っ走るのはやっぱりバカでしかないだろ、それは。
と思うのだけど身体は動いてる、
風を切る。
走るのは気持ちいい。
このままいこう。
行けるところまで。
走れるところまで。
その先に、崖。
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真夜中、風に吹かれながら田舎道を無灯火チャリンコでがりがり走り「どうすっかな〜」とか呟く日々日常。
平山夢明『東京伝説 死に逝く街の怖い話』 (竹書房,\552) [bk1][amazon]
恐怖との遭遇にもはや霊感は不要となった。ただ生きていればいい。
平山夢明が著する怪奇小話集シリーズ3冊目。 霊だのなんだの超自然的なものが怖い原因である「『超』怖い話」シリーズに対して、こちら「東京伝説」シリーズは「人間が怖い」が主題。 もっと言うなら「頭がおかしい人間は怖い。 そして頭がおかしい人間はどこにでもいる/どこにいるかわからない、それが怖い」。 霊的なものの存在を疑う人はいても、人間の狂気を疑う人はいない。 いや、なにも狂気なんて陳腐なものでなくてもいい。 単純に、こちらのことを思いはからない他人の無配慮な悪意や暴力は、怖い。 それが自分の身にふりかかるかもしれない、という可能性の点から言っても、霊よりも怖い。 石で殴られたら痛いと同じぐらいの確実性で、そういうものは怖い。 要はそれだけの話で、それだけの話をそれだけの話で終わらせない密度と濃度で描くのが、平山夢明という人だ。 嫌すぎる、勘弁して下さい。
シリーズも3冊目で、いつもどおり、たいへん粘性の高い、生理的嫌悪を伴う不潔な恐怖がこれでもかというほどてんこ盛り。 読んでいて、たいそう嫌な気分になれた。 飲み込む唾が苦くなる感じです。 うぇ。
で、嫌になりながらも何で読み続けているかというと、茫漠とした人の不安がどういう形をとるか、という「想像力の在り方」として、やっぱりそれは正しい(外してない)と思えるからだ。 景気が悪いとか体感治安だの検挙率が低下してるってニュースで言ってたとか隣に外国人が越してきたとか「何かよくわからないけれど、悪い方向には変わりつつある」っていう「嫌な気分」が、ちゃんと言葉になるべきものとして言葉にされている快楽がある。 本当かどうかはともかく「本当っぽい」と感じられる。 それで十分だし、それが全てだ。 のはずなんだけど。
(ホームページも見るとじゅうぶんにわかりますが)平山の描く恐怖は、かくある世界をどうまなざすか、っちゅうほとんど「世界観」なので……、
フィクションであるはずのこういう話が、まわり見渡せばごろごろ転がってたり、そもそも残酷で悲惨なストーリーこそが皆さんに望まれているような空気もあるように見えたりで、まあ、ありふれてるといえばありふれてるんだけど、この嫌な気分からはなかなか抜け出せそうにないかも。 とか、思わないでもない。 うむう。
今回も、うちの戸締りは確認した。 トイレも、ベランダも、ベッドの下も、押入れの中も。 いちおう。 念のため。
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本人にまったくその気が(能力も)ないのに有能であることを強いられてるおっさんって哀れだな、とか思う日々日常。
読んでる本。
久しぶりだなぁ橋本治の本読むのは。
俺が「ああ、俺はいまものを考えているな」と自覚できるのは橋本治虫の本を読んでいる瞬間だけかもしれない。
『戦争のある世界 ああでもなくこうでもなく4』は広告批評に連載された時評。 世の中の多くの人がじつはそうであるように、世の中のほとんどは自分にまったく関係ないことだとか思っている俺は「あ〜あれってそういうことだったのね」とどこか遠くで鳴る大砲の音を聞く気分なのだけれども、「そういう俺」すらも/こそが、このおっさん橋本治の言葉の中に捕捉されていて、やっぱりビビッた。 「やっぱり」っちゅうのは「どうせ来るだろ、こっちに」という予測はあったからだけど。 読んだら、本の内容とは一切関係なく、俺にまつわる様々なことどもをあれこれ思いはじめた。 思考の起爆剤としてひどく有用。 もっとも、俺は思考するという行為をこのおっさんの書物から学んでいるので、この人の本を読むのは思考するという行為を練り直すと同じ。 有用なのは当たり前なのだけれど。

あとマンガ、浅野いにお『素晴らしい世界 2』が [bk1][amazon] 良い良い良い。 3回言うくらい良い。
若者がよくも知らん世界のことをわざわざ素晴らしいとか言ってみせるのはヤケクソか諧謔かでしかないだろうけど、そういうヤケクソもしくは諧謔をありったけの爽快感をもって描いてある。 かなり気持ち良い。 2巻のオビに作者が23歳とか書いてあって、おー、とか思ったんだけど、若者が「若者思うかくあれかしというリアル」を共感できるように描けるのはすげーと思ったことだ。
そんなとこ、バイビー。
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