
でも……なんだろう ちんこって……
……待って… 落ちついて考えてみよう
ちんことは何か!?
面白い!
しかしすごい問いだ。 俺も長いことちんこと一緒に生活してるけど、それを真摯に考えたことはなかったよ。 いや、なにをおいてもまず考えてみるべきかもな。 じっさい、いろんな苦難辛苦をともにしてきた相方であるのだし、これから先もつきあっていかなければならないのだし。 それを考えることは俺が思っているよりはるかに有益かもしれないぞ? そも、ちんことは何ぞや!! や、まあ。 それはいい。 あくまで俺と俺のちんことの問題だ。 叫ぶな。
マンガの話をしよう。
最近、なにをみてもちんこのことを思い浮かべてしまう女子高生、望月夢子さんと、彼女にひきずられてちんこを晒すハメになる美術部員本田くんとの、ちんこを巡る冒険だ。 しかし冒険って。(w いや、でもこれは冒険だな。 うん、冒険。
激烈に下品か、もしくはバカかやらしいか、と思ったらぜんぜん違かった。 真摯な情熱と遣る瀬無い想いが交錯する(もしくは「交錯できない」)ひどく切ないマンガだった。 同時に、切ないからこそ、ひどく滑稽なマンガでもあった。 笑った。 そして感動した。
それは夢子さんの部屋でひとり全裸「ちん拓」をとられ、ちんこの付属物として、男としてどころか人間としてあつかわれない美術部員本田くんがさすがにブチきれて叫ぶその叫びにこそ、如実にあらわれていると思う。 俺はこの叫びをきいて胸がきゅんとなりました。
オレはちんこじゃないっ!!
人間だ!!! 男だあっ!!
な? 泣けるべ? これは人として。 男として。
で、このマンガが只者でないとわかるのは次の瞬間だ。
夢子さん、この本田君の叫びをまったく理解しないのだ。
理解力がないとかそういう話ではない。 本田くんが何について憤慨しているのか、根本のところから、彼女は理解しない。
もっといえば、自分がなにをしているのか、なぜそれをしているのか、それすらも理解していない。
だけど「理解」とはまったくべつのところで本質的な問題は把握されていて、それが彼女に「ちんこ」なるものを欲望させ、されには先の問いを問わせてしまう。
ちんことは何か!?
そして、このマンガは彼女の問いに完璧な答えをだしてしまう。
これは「人が何かを理解するとはどういうことか」ってのを、そのプロセスを十全に描ききったマンガだ。
「あ! わかった!」って言う言葉すら必要ない「理解」ってものを描いてしまうマンガだ。
「理解」とは頭でするものではないということを描いてしまったマンガだ。
すげえ。
短編「スーパーフライ」も同時に収録されている。
これも性的なものを通じて、若者が何ごとかを理解する話。
読後感がたいへん気持ちよい。
ロジカルなもの、理知的なものはあまり感じなくて、わりと自然に描いてるふうに思えるのだけど、でも「人がなにかを理解するとはどういうことか」ってのを身体レベルで「理解」していて、それをマンガに落とし込む力がある人だな、と思います。 次作が楽しみです。 よいマンガを読みました。
ちなみに夢子さんの理解がどのようなものかは192,193ページをじっくり見ればわかります。
ピンとこなかった人は見返してください。 そこに、なにがみえる?
しかしどう考えても夢子さんは天才だな。 「ある種」という言葉はつくかもしれないけど。