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とてもかわいい、けど。 ちょっと心細い。 そんなかんじ。
小学生たちの話。 こどもたちのお話。
かわいい男の子とかっこいい女の子がいる。
かわいい男の子は自分がかわいいと気づいていて、女の子のかっこうがしたいと、ちょっとドキドキしながら思っている。
かっこいい女の子はかっこいいことに憧れていて、だから自分はただかっこよくありたいと思っている。
そんなふたりが、出会って。 ちょっとだけお互いの「秘密」を知り合う。
これはそういうマンガ。
かわいい男の子はもっとかわいくなってみたかった。 ただそれだけのこと。
かっこいい女の子はただかっこよくありたかった。 ただそれだけのこと。
でも、二人は子供だから、ただそれだけのことを「秘密」にしなくちゃならなかった。
そんな二人が、出会って。 少しだけふれあう。
これはそういうマンガ。
観る人に柔らかな印象をあたえる線で描かれた小学生たちの姿が、たいいへんかわいらしい。 でも、それだけではない。
絵柄はたいそうかわいらしいのだけれど、彼/彼女らを眺めるその視線は、ベタベタしていない。 冷静で、落ち着いている。
観る人に、柔らかな印象をあたえる描線は同時に、彼/彼女らこどもたちが、まったくもって「ちから」のない、弱弱しい存在であることもまたきちんと描き出す。 こどもであるということの、無力さ、その不安、心細さを。
もし、彼/彼女らがこどもでなかったら、もっと違うやり方、違う在り方はいくらでもとれるはずなんだ。
例えばコンフリクトするとか、隠蔽するとか。 どうにかして自分を自分たらしる手段も方法はいくらでもある。 もし、こどもでなかったらの話だけど。
でもこどもである彼/彼女らは、できない。 ただ、あたふたしてしまう。 自分がなにものでありえてなにができるかなんて、ぜんぜんわからずに、ただ慌てたり不平を言ってしまったりする。 もちろん彼/彼女らだってちゃんと生きているんだし、やることはやる。 やろうとする。 でもおうおうにしてそれは、ぜんぜん足りていない。
そういう、 こどもであることのちからのなさを。 志村貴子さんはきちんと描いている。
だから、このマンガを読んでいると、まあたいそうかわいらしいと思うんだけど同時に、そういう「こどもであることのちからのなさ」をまざまざと見せつけられる。 かつてそうであって、いまもいくぶんかはそうであるような「自分の中のちからないこども」をおおいに刺激されてしまう。 ああ、わたくしは、かつてこのように無力で不安な生き物であり、今も幾分かはそのような部分を持って生きているのだと。 だから、このマンガを読むと、とてもかわいいと感動もするけど、どこか、ちょっと心細い。 そんな気分になる。
で、たぶん。 たぶんの話だけど。 いかにも無力であるこどもらしさは、それでもかく生きてそこに在るというそのさまは、たぶん「美しい」ということに繋がっている。
「いまはできないかもしれないんだけど、でも、そうしたいの」っていう。 こどもたちの想いのさまは、切実で、美しいし、感動的でもある。 そう思う。
ところで。
俺はもうひとりの重要な登場人物を、ほぼ完璧に無視しているんだけど(ほんといえば、これは「かわいい男の子とかっこいい女の子とよくわかんない女の子がいる。」ってマンガだし、出会うのは二人だけではない。) おれにはそういう女の子の抱え込んだ内実というやつが、ぜんぜんわからない。 そういう女の子がいる、ということはわかっているけど。 そういう女の子が「なぜ? なんで?」そういうふうに在るのかがでんでんわからない。 んー。 困った、とまではあんま思わないけど、チョロいな〜とは思う。 わからないっつう事態がすでに安直だよ。 安い〜。 どうなんだろ? ねえ。
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