ぬきんでて面白いわけじゃないけど、気にはなるマンガ。 総じて言えば「うん、微妙。」
『週刊モーニング』に掲載された短編がまとまりまった単行本。 『EDEN』の遠藤浩輝と『国民クイズ』の加藤伸吉を足して、そのまま放置したら……あらあらこんなになったの? みたいな絵柄の人。 下手ではなく、むしろうまい部類にはいるだろうけど……う〜ん、モーニング、アフタヌーン系のマンガが「最近のマンガは絵がうまいだけで面白くない」といわれるとき「絵がうまいだけ」なる公約数にすっぽりはまりそうな絵。 見れば思いあたるけど、見るまで思い出せない、みたいな。 悪くはないんだけどなぁ……。
マンガとしては「奇妙な味わい」「びみょ〜」「ひどい」を2:3:5ぐらいの割合でいったり来たりしてる印象をうける。
そりゃコンスタントに、面白い短編マンガを描いていくのはべらぼうに難しいことだろうけど、あいまいな笑みを浮かべながらつっこんでくれるのを待っているボケ芸人、みたいなワンアイディアストーリーのほうは当っているとは到底思えず、正直サムい。 むしろ「ただそれだけの話だ」で終わるような日常のひとこまを描いた短編のほうがキレがあって面白いと思った。 原作者がつくと面白いマンガが描けるタイプの人なのかも。
本の最後に収録された短編「バス停」がいい。 これ目当てに単行本買ったようなものだ。
男と女がバス停で出会い、ほんの数回会話を交わす。 それだけのマンガなんだけどよいのよ、これが。 そしてちょっと変。
あるとき、女がバス待ちながらゲームブックやってる(!)ですよ。 で、ゲームオーバーになっちゃう。
男はそういうときは指をはさんでおくんだ、とか言う。 したら、女、その言葉になぜか切れちゃうんだ。
せこ!
男ってそういうこと平気でするよな
とか。 それはただの八つ当たりで、彼女はそういうことを言いたくなる目にあってるんだけど……にしてもそういう「男のズルさ」を語ろうってのにゲームブックをもちだしてくるのは明らかにおかしい。 モーニング掲載時に立ち読みして、すげぇ変なマンガだな〜って思ってた。
ゲームブックをだすことがこの人一流の「サービス精神」なのだとしたらそれは相当にずれてる。 この「ずれたサービス精神」(?)こそが魅力かな〜とは思うけど。 総じて言えばやっぱり「うん、微妙。」としか言えなくなっちゃうような、微妙なマンガ。
……びみょう。