第弐齋藤 本とマンガの感想日記。

徹夜明けに読んだ『大東京トイボックス』5巻が激烈に面白かった件

01.27.2010 · Posted in ゲーム, マンガ, マンガの感想 このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加このエントリをNifty Clipに追加このエントリをPOOKMARK. Airlinesに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをChoixに追加このエントリをnewsingに追加

おそらく半徹夜明けのヒャッハー状態で読んだせいだけど、うめ『大東京トイボックス』の5巻が激烈に面白かった。

大東京トイボックス 5 (バーズコミックス)

『東京トイボックス』、『大東京トイボックス』はゲーム開発会社を舞台にした青春群像劇。お仕事マンガであるので、でてくるのは20過ぎ30過ぎのいい歳こいた大人なんだが、ゲームっつうユメツクルゲンバノモノガタリであるので、本質的に熱苦しくて青臭く、それが良い。そういうマンガ。(まだタイトルが「東京」だったころの感想はこちら)。そういういマンガであるので、構造的に理想vs現実の対立を抱え込む。「理想 vs 現実」つうか「作劇上の理想 vs 作劇上の現実」「理想(笑) vs 現実(笑)」ではあるんだろうが、まぁそんなもん。今まで自分はこのマンガで描かれてある理想(笑)も現実(笑)も、なんか尻の座りが悪いと思ってた。どこか薄っぺらく、素直にのれない。恥ずかしくてケツが痒くなる感じ。(ここらへん、虚構内で描かれる「現実(笑)」を一部リアルとして共有しているから、とは思う。ヒント:デスマーチ。あれの最中なら、半ばマジかつジョークで、バカはスクーターで跳ねちゃおうぜ、ぐらいは言いますよ? とかなんとか。フィクションを真に受けるなアホが、という話ではあるが)

なんだけど、この巻ではっちゃけたなぁ、このマンガ。

マンガの中、虚構の中で描かれる、たあいない絵空事のそれが、ぞわぞわぞわぞわと現実に染み出してくるような不思議な迫力があった。理想(笑)? 現実(笑)? んなもんどうでもよろしい。ただ目の前にあるものを見ろ。 的な。

主人公、天川太陽が、迷走し空回りし裏切られ打ちひしがれ「こんなもんか」ぐらいを言ってそれを受け入れようとしたとき、100円玉ひとつもって向かうのは巣鴨キャロット(巣鴨キャロット? あの小汚い地下のゲーセン?)それを放り込むのは「ゼビウス」(『パックランドでつかまえて』!)語られる過去のエピソード。知らずのうちにのめり込み、知らずのうちにスコアアタックに挑む太陽。twitterに補足されるスコアアタック。#9999990のハッシュタグ(超かっこいい!)RT連鎖。即興的有機的につながるネットワーク(『ゼビウス』! 中沢新一「ゲームフリークはバグと戯れる」!)交差する過去と現在。続々集まる見物たち。終わる営業時間。だが、切れない電源。そして始まる自己との対話。

このくだり。最高。最高すぎる。ゾクゾクした。

過去と現在、現実と虚構、それらが奇跡みたいなタイミングで交差する、神話的といってもいいマンガ空間がそこにはあって(言い過ぎだw アホか) 一度こういう「フィクションの力」を見せつけられると、小賢しいだけの構造だの座りの悪さだのはどうでもよくなってしまった。8割方は徹夜明けの痺れた脳みそが見せた幻影だろうが、でもなおのこと「夜の夢こそまこと」ってよ。いや、面白かった。続きが楽しみだ。

とか思ってた矢先にkindleで日本語漫画を出してみよう企画がホッテントリになってたりする。世の中なんとも面白ぇなぁ、と一人ニヤニヤした次第。いやはや、ブラボー、ブラボー。

東京トイボックス 1 新装版 (バーズコミックス)東京トイボックス 2 新装版 (バーズコミックス)

大東京トイボックス 1 (バーズコミックス)大東京トイボックス 2 (バーズコミックス)大東京トイボックス 3 (バーズコミックス)大東京トイボックス 4 (バーズコミックス)大東京トイボックス 5 (バーズコミックス)

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これもオススメ。

昔『ファミコン必勝本』という雑誌があって……田尻智『パックランドでつかまえて テレビゲームの青春物語』[Amazon] 中沢新一のステキな戯言、ゼビウス論「ゲームフリークはバグと戯れる」収録、『雪片曲線論』[Amazon] 、世代的にドンピシャ、押切蓮介『ピコピコ少年』[Amazon]

雪片曲線論 (中公文庫) ピコピコ少年

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