第弐齋藤 本とマンガの感想日記。

片山ユキヲ『空色動画』1巻

06.24.2008 · Posted in マンガ, マンガの感想 このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加このエントリをNifty Clipに追加このエントリをPOOKMARK. Airlinesに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをChoixに追加このエントリをnewsingに追加

空色動画 1 (シリウスコミックス)

面白かった! 女子高生たちが集まってアニメを作り始める女子高校生部活動マンガ。動かないはずの絵を動かしてみせることが、とてつもなく楽しいことに、彼女らは気づいてしまった。アニメーション、命を吹き込むこと。動かないはずのものに、動きを与えること。動け踊れいのちあれ。そいつはなぜか、人のこころをひどく揺り動かす。

マンガなのにアニメーションを描いていて、不思議なことにそれが「動いて」見えるという、希有な経験をした。なぜに「動いて」見えるかというと、高度な記号表現が適切に駆使されているからだけど。結局、最高の描画エンジンとは人間の脳みそなので、そこに働きかけ動いていないものを動かせて見せる、という本質はマンガもアニメも同じことかもしれない。しかもこのマンガで描かれているのがむちゃくちゃカオス、えーっと……例えて言えば『大江戸ロケット』とか『十兵衛ちゃん』? まったく違う絵柄のキャラクターたちが、ひとつの絵のなかに同居して動き回る。これが「動いて」見えるのだから痛快だ。

でも、マンガの本質は女子高生部活マンガなのね。女子高生たちが寄り集ってなにかしようとする楽しさとか、彼女らの日常とか、友情とか、ちゃんとエンタテイメントしてて、好感を感じた。

おそらく背景にあるのはニコニコ動画とかYoutubeとか、参加型動画サービスの隆盛なんだろうと思う。今日日、何もセル画塗るだけがアニメじゃない(いや、セル画塗ってもいいんだけどさ)割り箸に刺した紙人形だろうが粘土だろうがガンプラだろうがドット絵だろうがケータイで撮った写真だろうが、なんだって動かそうと思ったら動く! そうして創られたものどもは驚くほど多くの人たちを喜ばせることがあるし、しょうもなかろうが何かを創るということは絶対的に楽しいものだ、ということを僕らは充分に知っている。(だよね?)

そこにたち現れてきた「自分でもやろうと思ったらできるんじゃね?」「やったら楽しそうじゃね?」という欲望をくすぐってくる、そういう意味では現代的なマンガじゃないかしらと思う。だよなぁ、楽しむための手段って、もうそこに、手のひらの中にあるんだものなぁ。ぜひ、お気に入りの動画を見てみて、それを創る為に必要なものが、意外に少ないことに気づいて欲しい。おそらく、決定的に必要なものは、意思と時間、これだけじゃないかしら? (才能? 才能なんざ過大評価された、努力の別名じゃよ?)

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