日坂水柯『数学ガール』
結城浩,日坂水柯『数学ガール』上 [Amazon]
日坂水柯が描くマンガ版『数学ガール』はふたりの距離がとてもとても近い。すごく気になる。
結城浩の『数学ガール』を原作に『めがねのひと』『レンズのむこう』の日坂水柯がマンガ化。
極言してしまえばミルカさんがつとつとと数学を解きほぐしていくだけの(だが、そこがいい)あの原作をどうマンガ化するものか楽しみにしつつ読んだ。なるほど、日坂水柯が描くマンガ版『数学ガール』はふたりの距離がとてもとても近い。すごく気になる。
『めがねのひと』『レンズのむこう』を読む限り、日坂水柯が得意とするのは『睦言マンガ』だと思う。『睦言マンガ』。ごくごくプライベートに/恋人同士が閨で/ほぼ零距離で/つぶやかれる、こそばゆい会話と呼吸、雰囲気。そういうものを描くことを、日坂水柯は得意にしていると思う。
翻ってマンガ版『数学ガール』、単行本の1ページを開いた瞬間にわかる。なるほど、近い。「僕」とミルカさんのふたりの距離がすごく近い。物理的に近い。見ていてすごく気になる。
机の対面に座って数学を解いているふたりを図書館の片隅で見ているのが原作。「……ふ~ん、あのふたり面白いこと言ってるなぁ……」お互いの吐息が鼻先をかすめそうなくらい至近距離でつぶやきあっているふたりをその隣でチラ見しているのがマンガ版。「近ッ!? なに?! 超気になるわこのふたり!」。そんな感じ。
ミルカさんは
必要なのは目だ。
でもこの目じゃない。構造を見抜く
心の目が必要なんだ。
とは言うけれども
ここに描かれているのは構造なんかではなく。
もっと微細で微妙な何かだったりするんじゃないだろうか。
—-
詰まるところ数学とは、数にまつわる思索、数にまつわる抽象概念を操作する技術体系なのだよなぁ
とは原作読んだ時には思ったことですが、マンガ版読んでみると、
まぁどんな抽象だろうがそれを具象するのは我々、肉の身をもつにんげんであることよ。
ドキドキだってしますさそりゃ、とか思ったことです。
描かれてようとしていることと描かれいるさまが、妙に咬み合っているようで咬み合っていない。
しかしそれが味である、みたいな。ヘンなマンガになっていると思います。いや俺はぜんぜん嫌いじゃないですが。
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数学ガール 上
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