放っておいた『モンキー ビジネス2008 Spring vol.1 野球号』を読み始める。
モンキー ビジネス2008 Spring vol.1 野球号
| 著者 | 柴田元幸 |
|---|---|
| 販売元 | ヴィレッジブックス |
| 発売日 | 2008年04月18日 |
| 価格 | 924円 |
放っておいた『モンキー ビジネス2008 Spring vol.1 野球号』を読み始めた。面白い。
この雑誌の根本的な意義/スタイル/本懐とは、人を小説とを一対一で立ち向かわせることだと、俺は思う。「小説を読むって、つまりどういうことだっけ?」「小説のおもしろさってそもそもなんだっけ?」と頭の隅でチラチラ考えながら、つまびらかにされた諸作品を読んでいった気がする。得難い経験だ。
特に
- ハーマン・メルヴィル『書写人バートルビー ウォール街の物語』
- シェリー・ジャクソン『血』
- ジェームズ・T・ファレル『僕はブラックソックスを覚えている』
が興味深かった。
ハーマン・メルヴィルって誰よ? と思ったら『白鯨』の人かよビックリだな。150年も前になにこんなビックリ小説書いてるんじゃねえよ、頼むぜホント。ここで描かれているのは一言で言うと「人間の悲しさ」なんだけど、そんなことを一言で言うことに意味はなくて、それを物語としてリズムとして/呼吸として/そのなかにモゾモゾ入っていって何かを感じとることに意味? 価値? 「ああ」って溜息つくようななにかがある、ってことをまざまざと知らされた。
シェリー・ジャクソン『血』。
面白かった。すごいイメージ。血。血まみれ。そびえ立つ露骨さ。
ジェームズ・T・ファレル『僕はブラックソックスを覚えている』。野球文学ってアメリカ文学とほぼイコールだと考えている節があるのは何故だろうな? 高橋源一郎の影響かしら。いっつも野球文学のそばには過去、感傷、郷愁とががごろんと転がっているイメージがある。これもそうだった。なんでだろう? 泣けてくる。
あと、尾崎翠『第七官界彷徨』が楽しみだった。初めて読んだよ尾崎翠、いつか読まなきゃなリストには入っていたんだけど。
読んでみたら、すでに「彼女のための席」が俺の中に用意されてあったことにビックリした。自分でも驚いてその「席」の名前をみてみたら「少女漫画」と書いてあった。ああ、なるほど。
「よほど遠い過去のこと、秋から冬にかけての短い期間を、私は、変な家族の一員としてすごした。そしてそのあいだに私はひとつの恋をしたようである」
こいつは「少女漫画」だ。この書き出しで始まる何かが少女漫画以外のなにかであるわけがねえ。
あるいはその名前がなくとも、その先駆となった感性の在り方なんじゃないかと感じる。
既視感すらある。つーか吉野朔実だろこれはどうみても。とか素で思った。ばかだねえ俺。
いや、この感覚は前に経験しているな……あった
高野文子との類似で尾崎翠を奨められている。これだ。感謝!
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![尾崎翠 [ちくま日本文学004] (ちくま日本文学)のカバー画像](http://sto-2.que.jp/blog/wp-content/plugins/amazon_linkage/cache/img/00448/4480425047.jpg)