末次由紀は痛快だ! 末次由紀『ハルコイ』を読む
『ちはやふる』1巻 [Amazon] がたいへん素晴らしかったので。その隣に並んでいた『ハルコイ』 [Amazon] も買って読んでみた。
?! 傑作じゃないか!
で、ちょっとググってみたらこれが盗用騒ぎを起こしたマンガ家さんであることを知って、さらにビックリした。
いや、力のあるマンガ家さんじゃないか。これだけの騒ぎを起こしておいて、それでもなお描き続け、見事復活し、しかもそのマンガがたいへん面白い! という、この事態そのものが痛快だ。このタフさは賞賛に値すると俺は思う。なんのことはない、人は過ちを犯すが、そこから立ち上がり、歩み直すことができる(その力がある者は)という、それだけの話だ。ハッ! やーい! ざまあみろ! 物事そんなに単純じゃねえんだ!
『ちはやふる』1巻 [Amazon] も『ハルコイ』 [Amazon] も、あるジャンルやカテゴリーにとどまらない、希求力をもった強力な作品だと思う。なんだろうこの普遍性? 「どこの誰にでも通じる」感。すごい面白い。
俺が「オススメ!」とはしゃいでるときは、だいたい暗黙のうちにターゲットが決まってるんだけど(マンガ読んだり本読むのが死ぬほど好きな、自分と同じかそれより下の年代の、男の子あるいは女の子たち、顔知ってる奴だとあいつとあいつと……)いま俺がなんとなくススメたいなぁと感じているのは俺の母親なのよね(あのオバハン、ふだんぜったいマンガとか本読まないのに。)そのぐらいの「どこの誰にでも通じる」感。
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『ハルコイ』 [Amazon] には「ハルコイ」「指輪の片想い」「美彩食堂」「ななつの約束」の四作品が収録されているんだけど、その全部に泣かされた。もうね、滂沱。
どの短編にも、ただ頭で考えただけじゃ絶対にでてこない素晴らしい台詞が用意されているのが好きだ。
「のんちゃんの心臓の音が聞こえてきそう」
「その輪の中にいれてほしいよ」
「あ…… 久々に…… 思いっきり握れる……」
「なんだろ―― あれ なんだろ―― 白い大きい ラムネみたい」
「美彩食堂」が一番好きだな。紋切りであることを恐れずに、しかしそのなかで、スペシャルな、にんげんのこころを描き、しかも流れを止めてない。やべぇ、今これを描くために見返したら泣けてきた。なんだこの上手さ。
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是非にオススメ。 しかも『ちはやふる』1巻 [Amazon] はまた1巻でこれから続くという幸せ。 ジャケ買いはこれだからやめられんぜ。
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素敵な文章をありがとう。すべてのセンテンスに同感です。これらの作品の力に比べ、バッシングの文書の寒々しさは、まさにネット文化への絶望をかきたてるのに十分でしたが、それでもこのような文章がネットで読めるのですね。
最後に再びありがとう!